S2000・スペック
ホンダ・S2000は1999年にホンダが発売したオープン2シーターFRスポーツ。
ホンダが29年ぶりに販売したFR車で、現在販売されている同社ラインナップで唯一のFR車だ。
ホンダ・シビックやインテグラに設定されているタイプR級のスペックを有するS2000はホンダ
ファンやスポーツカーファンに高い評価を得た。
S2000のエンジンスペックは自然吸気2000ccで250PSを出力する高性能のF20C(
2005年のビッグマイナーで2200ccのF22Cへ変更されている)。レブリミット9000
rpmの超高回転型のエンジンで全日本ツーリングカー選手権に参戦していたアコードのエンジン(
2.2L)をデチューンしたものだといわれている。
ミッションはATの設定はなく、6MTのみ。現在国内で市販されている乗用車でAT設定がない唯
一のモデル。
足回りはサーキット仕様ともいえるほどレーシーで、最初期型はあまりの固さにユーザーから不評だ
った。そのため最初のマイナーチェンジで街乗りに耐えうるマイルドな足回りに変更されている。
ボディスタイルはFR2シーターということもあり、典型的なロングノーズショートデッキスタイル。
ヒップポジションのすぐ後ろにリアタイヤがあるあの感覚はFR2シーターならではで他では味わう
ことができない。
販売開始は1999年4月。名前が示すとおりかつてのホンダの名車S600/S800の系譜を次
ぐモデルとして発売されたS2000はそのスペックに誰もが驚いた。当初は1グレードの展開だっ
たが2000年7月に可変ステアリングのTypeVが追加、2グレード展開となった。
2001年のマイナーチェンジでこれまでアクリルだったリアがガラスへと変更。新色の追加と先述
の足回りのセッティング変更がなされた。
2003年のマイナーチェンジはヘッドライト、リアコンピの変更。フロントバンパーのデザインも
変更されている。また、性能面でもブレーキやインチアップなどが施されている。
2005年に排気量が2200ccとなり、2007年のマイチェンでTypeSが追加設定された。
また、2008年モデルへ移行するとともにTypeVが廃止されている。
2000ccから2200ccへのエンジンの変更は賛否両論が大きく分かれることとなった。
排気量アップにともない低中速トルクが向上、かねてよりよく言われていた「乗りづらさ」を解消す
ることができたが、出力が250PSから242PSへ、レブリミットは9000rpmから800
0rpmへと下がることとなった。
自分も何度かS2000のステアリングを握ったことがあるが、超高回転型エンジンゆえ街乗りのし
づらさは過去に乗った車のワーストクラス。過給器なしの軽自動車かそれ以下といってもいいほどだ
った。それでもふけ上がりのよさは国産車ではこれ以上のものには出会えないだろうといえるレベル
だし、ドライバーズカーとしてこれ以上を求めるのは至難のわざといえる車だった。
2200ccへの排気量アップは反対派だった自分としては、「乗りやすさを求める人間はこの車に
乗るな」と言いたい。そしてまた日和ったホンダも嫌いになった。
後継車が出るのか出ないのかたまに雑誌で話題にも上るS2000。今のホンダが作るとはあまり考
えられないし作ったとしても中途半端な出来になるとしか思えない。S2000は1モデルで終了、
と時が来たらきっぱりと販売終了して欲しい。
AP1型 S2000 スペック
サイズ:4135x1750x1285
ホイールベース:2400
車両重量:1250kg
エンジン:直列4気筒DOHC
排気量:1997cc
ボア×ストローク:87.0×84.0
圧縮比:11.7
最高出力:250ps/8300rpm
最大トルク:22.2kg・m/7500rpm
AP2型 S2000 スペック
サイズ:4135x1750x1285
ホイールベース:2400
車両重量:1250kg
エンジン:直列4気筒DOHC
排気量:2156cc
ボア×ストローク:87.0×90.7
圧縮比:11.1
最高出力:242ps/7800
最大トルク:22.5kg・m/6500〜7500